日常の運転で身につくドライビングテクニック【荷重移動】
みなさんこんにちは!NEOスポーツドライビングエクスペリエンス、インストラクターの加賀美綾佑です。
今回は日常の運転で身につくドライビングテクニックの荷重移動編です。
はじめに荷重移動とはなんなのかを簡単にご説明しますね。
荷重移動
まず荷重移動に大きく関わっているのが慣性の法則です。
慣性とは動いている物体がそのまま動き続けようとする力や止まっていようとする力のことですよね。
もちろんクルマにもこの慣性が働いており、この慣性の動きと連動しているのが荷重移動です。
クルマには必ず重心が存在しますので、その重心を中心点として慣性が働きます。
例えば加速する時のクルマの姿勢を想像してみてください。
加速とともにフロントが浮き上がりリアが沈み込む格好になりますよね?
この時クルマの重心は慣性の法則でリア方向への力が働いています。
その力がボディーからアームに伝わりサスペンションに伝わります。
最終的にその力はクルマの後方を押し下げる力となり、リアタイヤを抑えつけます。この状態がリア方向に荷重移動しているという状態です。
そしてこの荷重は右にハンドルを切れば左に移り、左にハンドルを切れば右に移ります。
荷重移動が理解できればクルマが動いている時は必ず荷重移動が起きていることはわかるはずです。
コントロール
ではこの荷重移動をどのようにコントロールすればいいのかを解説していきます。
まず水の入った紙コップがドリンクホルダーにあると思ってみてください。(イニシ◯ルDですね)
急な操作をすると水は溢れてしまいますよね。
この水をこぼさないようにアクセル、ブレーキ、ステアリング、全ての操作を緩やかに行うことができれば緩やかに荷重移動しているということです。
水が前方に偏る時(減速時)は前荷重、左に偏る時(右旋回時)は左荷重ということですね。
まとめ
このように荷重がどこにかかっているかを考えるということは、4つのタイヤのうちどのタイヤを使っているのかということに繋がります。
これはクルマを上手に操る上で極めて重要なファクターであり、サーキット走行やスポーツ走行では必須の感性です。
日常の運転ではグリップの限界を探りながら走行することなどはまずありませんが、荷重移動を常に意識することでドライビングテクニックが向上することは間違いありません。ぜひ今後の運転は荷重移動を意識してみてください!
加賀美綾佑
1989年6月20日生まれ
東京都出身
車好きの父の影響で幼少から自動車レースに興味を持ち、18歳の時にモータースポーツの専門学校へ入学。上達の速さが認められ、卒業を待たずして当時としては異例の在学2年目でレース参戦を果たす。初の参戦となったS-FJシリーズは年間24台のエントリーがあった中、シリーズ4位でシーズンを終えた。翌年にはステップアップしフォーミュラチャレンジジャパンへ参戦。カート時代から活躍している強力なライバルたちとしのぎを削りシーズンを戦った。現代のGTドライバーを数多く排出したのもこのカテゴリーである。
その後もミドルフォーミュラのカテゴリーを中心に経験を積み、現在はポルシェトラックエクスペリエンスのインストラクターをはじめ、各メーカーのプロダクトトレーナーを務める。
また自身の会社では、モータースポーツ業界に関わる人材の育成を目的としたプログラムNMSPを発足。若手の教育にも力を入れている。
インストラクター及びプロダクトトレーナーとしてこれまで経験したメーカー
・PORSCHE
・日産
・トヨタ
・BMW
・Mercedes
・Lamborghini
・VOLVO
・Peugeot
・LEXUS
・JAGUAR
・LAND ROVER